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目地という魔法 その1
タイルには切っても切り離せない相棒がいる
それが目地だ!
とはいえ、最近のタイルは目地がない?目地を入れない??
そんなタイルも珍しくない
最近はやりのエコカラットなんて、そのものズバリ目地は入れない商品の真骨頂だ
ホントにタイルには目地が必要なのか?
なんのために目地があるのか?
目地は誰がつくっているんだ?
そんな疑問に答えてみようとおもう
ただし、このハナシは長くなりそうで、今書き始めたはいいけれど
僕自身、全く着地点がみえてない
そんな感じでよければお付き合いください
目地って”なに”
タイルって土を固めて焼いている
1250度の窯のなかで土が火責めされて発色した焼け跡がタイルだ
写真のタイルは50年以上も前につくられた”泰山タイル”
一枚一枚、石膏型に土を手で込めて釉薬を塗って窯で焼く
土の水分がなくなって約40%程度の収縮があり、10センチのタイルは1.5センチほど縮んでしまう
その過程で焼かれた土は、ひねり、ゆがみ、ちぢみ・・・
一枚一枚が不揃いで味がでる
そんなタイルを垂直水平を保ちながら”いい感じ”で美しく仕上げるために必要な役割を担うのが目地だ
目地が担う役割
つまり、焼き物であるタイルの特性を補うために必要な隙間とでも言ったほうがわかりやすいかな
むか~しのタイルはjisの規格なんてなくて、寸法精度も製陶所の基準で判断しており、歪みや捻りを職人さんの腕と経験と目地でカバーしていた
タイルの持つ役割には本来、建物を美しく魅せる”意匠”的役割と建物を守る”機能”的役割の両方がある
そして、タイルの相棒である目地もまた”意匠”としての役割も十分に担っている
目地の太さや色のコントラストでタイルの美しさを際立たせてくれるのが目地の仕事でもある
そんな目地も時代と共に変化しており役割も少しずつ変わってきている
先ずはタイルの寸法精度がここ数十年で劇的に向上した
今では写真のような3mを越える大判タイルが寸法誤差1ミリ単位でつくれるようになっちゃった
目地幅2ミリでこんな大判タイルが張れてしまう時代だ
技術の進歩は目地の本来持っていた役割を大きく変えることになります
つづく・・・